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special 菅野結以さん_私にとって何かを生み出すことは
人生でただ1つの希望だから <前編>

砂糖菓子のように甘く儚く、それでいてちょっぴりダーク。そんな無二の世界観で圧倒的な支持を集め、ブランドプロデューサー、さらにはラジオパーソナリティーとしても活躍する、モデルの菅野結以さんにインタビュー。これまでの半生からモノを作ることへの覚悟、発売されたばかりのスタイルブックに込めた想いまで。話を聞くうちに、キュートなルックスからは想像もつかないストイックな内面が見えてきました。

profile

菅野結以
菅野結以 モデル、ブランドプロデューサー 1987年生まれ。14歳の時に雑誌の読者モデルとしてデビューし、以降数々のファッション誌で活躍。現在は『LARME』メインモデル、『with』ビューティーモデル。ファッションブランド「Crayme,(クレイミー)」、コスメブランド「baby+A(ベイビア)」のブランドプロデューサーとしての顔も。また豊富な音楽知識を活かし、ラジオ番組のパーソナリティーも務める。現在は「RADIO DRAGON -NEXT-」(TOKYO FM)に出演中。

好きな世界観を表現する方法がファッションだった

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    まず、モデルになったきっかけから教えてください。デビューは読者モデルでしたよね。
    「中学2年のときに、渋谷109の前でスカウトされて。もうベタというか、そんな話ほんとにあるんだ! って感じですよね(笑)。当時あった『Cawaii!』という雑誌から姉妹誌を出すということで、編集部の方が声をかけてくれたんです。名刺に雑誌のロゴがあって、それでコロッと信じて連絡先を教えて。この話をすると『よく信じたね?』って言われるんですけど、『Cawaii!』はずっと読んでいた雑誌だったから。それで出来たのが『Hana*chu→』で、その創刊号に載ったのが最初ですね」
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    それ以前から、モデルの仕事に興味はありましたか?
    「全然、私なんかめっそうもございません! って感じでしたね。小学生の頃からファッションが大好きで雑誌もたくさん読んでいたけど、だからって自分がその世界に行けるとは考えないじゃないですか。その頃はファッションのほかに文学と絵画も好きだったので、将来は画家か作家になりたいと思っていました」
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    ファッションへの興味は小学生の頃からなんですね。きっかけや、誰かからの影響などはありますか? お姉さんがいらっしゃいますよね。
    「うーん。音楽については、姉からずいぶん影響を受けたと思います。その頃からライブなどにもよく一緒に行っていたし。でも、結局はファッションもそうかもしれないですね。音楽とファッションってすごい近くないですか? 世界観が全部リンクしているというか。わたしは好きな世界観を音楽では表現できなかった。でも、ファッションならできる。そういう気持ちもあったのかなと思います。小学生の頃は貯めていたお年玉を持って、週末のたびに原宿に行っていました。好きなブランドとかもいろいろあって。正直、あの頃が一番おしゃれだったんじゃないかな(笑)」
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    “菅野結以だけの世界観”は、早くから確立されていますよね。もちろんさまざまなものの積み重ねだと思いますが、その中でもベースとなるものはなんでしょうか。
    「これは自分でも何度か考えてみたんですけど、もう“性(さが)”としか言いようがないんですよ(笑)。もともと絵が好きで子どもの頃は絵画教室にも通っていたんですが、当時から抽象画ばかり描いていて好みも変わらないし。そして、どれもあんまり明るい絵とはいえない。昔から、太陽の下よりは屋根裏のような場所の方が惹かれるし、心が落ち着くんです」

全部やらなきゃプロデューサーとは名乗れない

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    現在はファッションブランド「Crayme,」、コスメブランド「baby+A」のプロデュースもされています。最初に自身のブランドを始めたきっかけは?
    「最初は『アクセサリーブランドをプロデュースしてほしい』というお話をいただいて。でも内容を聞くと、サンプルの中からパーツを選んで、それを組み合わせるだけだったんです。それはイヤだな、と(笑)。『プロデュースというからにはちゃんとゼロから作りたい。でなきゃ名前は出せません』と伝えました」
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    最初からストイックだったんですね…。
    「でも実際ゼロから作ろうとすると、すごい高価になって若いファンの子たちが買えなくなっちゃう。そこで『じゃあセレクトショップはどうですか?』と提案したんです。私が海外で買い付けしてくるので、それを売るのはどうか、と。まだその頃はほかにやっている人もいなかったし。それで最初はセレクトショップから始めたんですけど、結局は飽き足らなくなって(笑)。デザインを描いては『こんなのやりたいんですけど…』って提案して、そこからだんだんとオリジナルが増えていった感じですね」
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    最初からすべて、菅野さん主導なんですね。出されたものをこなすとかじゃなくて、むしろまわりを巻き込んで引っ張っていってるくらいの。
    「例えばブランドとのコラボとかであれば、向こうの意見も聞きながらその枠の中で作ることはむしろ醍醐味ですけどね。でもプロデュースとなったら、自分が全部やらないとそこで名乗っちゃいけないと思ってるので。“名前貸し”みたいなの、大嫌いなんです(笑)。だって実際に使ったら全部分かっちゃうじゃないですか。ああこれは名前だけだなとか、これは本当に愛情がこもっているものだなって。しかもそれを手にしてくれるみんなは、がんばって働いて稼いだお金で買ってくれるわけだから。まずはこちらが本気出していいものを作る、というのが当然の誠意だと思っています」
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