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2017年これが良かった♡ BEST3_書籍編

「本は子どもの頃から大好き。トリップ感もあるし、言葉を知ることもできるし、いろんな人の人生を追体験できるっていうのもある。ジャンルは問いません」

NO.1
『初恋と不倫』坂元裕二

「これは会話だけで成り立っている2編(初恋編・不倫編)です。今年いちばん面白かったって胸を張って言える作品。タイトルから普通に連想されるようなお話ではなくて、言葉になりきらない湿度とか匂いとかで、ザクザク心を刺してくる感じというか…。坂元さんはほんとうに、言葉・会話劇の天才! 発想力とユーモアにものすごく長けていて、とにかく“お見事!”の一言です」

NO.2
『翻訳できない世界のことば』
エラ・フランシス・サンダース

「外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないその国特有の言葉っていうものがあると思うのですが、これは、そういう言葉を世界中から集めた一冊です。こういうの、大好きですね。感情って言葉にならないじゃないですか。言葉だと足りなすぎるなっていつも思っていて。日本語で言えない、みたいな。そういう気持ちも、世界の言葉で表現することができたりする。
例えば、アラビア語の「ヤーブルニー」というのは、直訳すると“あなたが私を葬る”という意味なんですけど、その人なしでは生きられないから、その人の前で死んでしまいたいという、美しく暗い望みが込められています。すごくロマンチックですよね。ちなみに私はロマンチカ星の生まれだと自分で思っていますが、この本は同じくロマンチカ星出身の友達がプレゼントしてくれました(笑)」

NO.3
『楽園のカンヴァス』 原田マハ

「これは、ニューヨークの美術館のアンリ・ルソー担当のキュレーターが主人公の小説です。ルソーには、有名な『夢』という作品があって、その絵をめぐる物語。『夢』は実際にMoMA(ニューヨーク近代美術館)にあるんですけど、ちょうどパリに行くときにこの本を持って行って読んでいたら、MoMAにめちゃくちゃ行きたくなってしまって…。そしたらなんと、その1週間後にNYの仕事が入ったというすごい引き寄せが起きて! それも思い出深いエピソード。
ルソーって40歳を過ぎて絵を描き始めた人で、日曜画家とか言われたりして、結構バカにされたりすることもあったらしいんです。決して順調に行った人ではないんですけど、この本を読んでいると、ルソーの素晴らしさに気づけます。世界の見え方を変えてくれるのが、本のいいところだなって改めて思いました。実際にMoMAで巨大な『夢』を見たときは、しばらく立ち尽くしてしまいましたね。ゴッホの有名な絵が隣にあるんですけど、そちらにはすごい人だかりができていて、『夢』はすごく空いていて。ラッキーって感じで(笑)」

2017年これが良かった♡ BEST3_映画編

「映画は観たいものがあるときに、フラリと映画館で。時間が空けば、一人でパッと行っちゃいます」

NO.1
『べイビー・ドライバー』

「本当にキレッキレでハイにぶっ飛ばしてくる、爆裂暴走映画です(笑)。音楽と映画が手を組んで悪巧みしたみたいな映画。終わったあと「最高!」しか出てこなくなる感じ!説明とかできないくらい、ただただ最高です。音楽が好きな人は全員好きなんじゃないかな。エンタメ系ではあるけれど、マニアックさとかインテリな部分もちゃんとあったりして、ただのおバカ映画では終わらないんです。そこが素晴らしい」

NO.2
『T2 トレインスポッティング』

「前作『トレインスポッティング』に思い入れが強い人は複雑な心境だと思うんですけど(笑)。私は単純に、ダニー・ボイル(監督)ってやっぱ進化し続けているんだって感動しました。ずっとみずみずしい感性の人なんだなって。クレイジー度は、前作よりは丸くなったんですけどエンタメとしての完成度がすごく上がっています。20代の人が作ったといってもおかしくないくらいのフレッシュ感(笑)! 音楽の使いかたもきちんと今の感覚にアップデートされていて、すごくスタイリッシュ。登場人物の相変わらずなダメっぷりとか、大人になりきれない感じもいいですね」

NO.3
『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 
  世界一優雅な野獣』

「セルゲイ・ポルーニンというバレエダンサーのドキュメンタリー映画。“事実は小説より奇なり”と言いますが、本当にファンタジー顔負けのドラマチックさです。天才ダンサーの苦悩が描かれているんですけど、本当に魂を削って踊る、その彼の姿というのがあまりにも危うくて、あまりにも美しいという。鬼気迫る美しさというか。そして、その隣り合わせに儚さや脆さがあって…。とても伝統的なことをやっていながら、すごく革新的なんですよ。相反するものが同居した世界観を、自分の身体ひとつで表現するっていう。本当に彼は、天才にして異端児です。魂を削りながら何かを表現する人っていうのは美しいなぁと思いました」

〈後編〉では、〈菅野結以さんがセレクト〉2018年の始まりにおすすめしたいマイ・フェイバリット♡BEST3 をご紹介。あわせてどうぞ!

ワンピース¥23,000、ピアス¥3,500/ともにHONEY MI HONEY
リング、シューズ/スタイリスト私物

Hair&Make-up:Hitomi Kawasaki(PEACE MONKEY) / Photo:Akihisa Okumoto(Kili office) / Styling:Natsuki Takano / Text:Shiho Tokizawa

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