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美眉師・尾花ケイコさん ×
作家・はあちゅうさんのメイク哲学談義

日々、新しい情報が更新される美容業界の中でも、ブレない独自の視点と卓越した美意識で注目されるお二人に、メイクの悩みを投げかけてみました。話題のモテメイクから、お仕事モードや恋愛モードのメイクの悩みまで、的確かつユニークな視点にあふれた対談となりました。

PROFILE

尾花ケイコ
尾花ケイコ ヘア&メイクアップアーティスト 独自の理論と卓越したテクニックで、メイクのトレンドを牽引する知性派トップヘア&メイクアップアーティスト。モデル・女優からも信頼が厚く、その人の内面の魅力と個性を引き出すセンスが幅広い層からの絶大な支持を受け、メイクだけでなく美容の製品開発にも携わる。業界内でも「美眉師」とも呼ばれる眉のスペシャリスト。「絶対美人になれるメイクのルール」(マイナビ出版)など著書多数。

PROFILE

はあちゅう
はあちゅう ブロガー、作家 慶應義塾大学在学中に、女子大生カリスマブロガーと話題になり、レストランやイベントをプロデュースするなど幅広く活動。卒業後は電通に入社し、コピーライターとして活躍したのち、トレンダーズに転職。美容サービスや動画サービスに携わる。現在はフリーとして幅広い分野で活躍。最新刊「半径5メートルの野望」(講談社)が好評発売中。

その人自身の美しさは、肌と眉に表れる

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    お二人は、女性のメイクを見るとき、まずはどのパーツに目がいきますか?
    尾花:肌と眉ですね! その人自身の美しさを見るときに重要なのが、やはりこの二つ。その人からの情報を得るときに、一番面積が広い肌をすごく見てしまう。ということは、肌はその人そのもの。メイクで印象を変えたいなら、まずは肌を変えるべきだと思いますね。
    はあちゅう:私も肌と、あとはアイメイクを見ます。目の強さって性格が宿っている気がする。自分が一番メイクで悩んでいるパーツなので、人のメイクを参考にしたいと思っているのかもしれません。
    尾花:はあちゅうさんは、お肌自体がきれいだし、肌づくりもきちんとされている方だなぁというのが、第一印象です。
    はあちゅう:肌はあまり塗らないようにしているんです。普段はCCクリームとコンシーラーだけ。基本、肌が息できるようなベースメイクを意識していますね。

サッと塗るだけで、絶妙な透明感とツヤが出るRMKのグロースティック。理想の艶っぽい肌に。

ベースメイクは、リンメルのCCクリーム モイスチュアとナビジョンのスポッツカバーが基本。そこにイプサのフェイスパウダーを重ねることも。

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    肌以外に重要なパーツとして挙げられたアイメイク。特に眉は難しいパーツですが、女性にとってどんなパーツだと思われますか?
    はあちゅう:意志が宿る場所。海外セレブを見ていると、あまり手をいれずに自分の眉を大事している人が多いと思うんです。そこに個性を作って、意志が出せる場所にしている。意外と日本人のほうがトレンドに流されやすいですよね。
    尾花:私にとっては“センス”ですね。眉はそれこそ、剃り落とすこともできるし、いろんなことができるだけに、その人のセンスが全部で出てしまうパーツだと思うんです(笑)。時代をちゃんと感じとれているかどうかも、眉に表れますよね。
  • はあちゅう:まわりの友人たちも、それぞれに合う眉に落ち着いてきていると思いますね。昔みたいに無理に剃る、から自分の眉を生かす方向に。以前、香港に住んでいたのですが、眉は顔相の中でも大事なパーツとされていて、眉毛を変えると運気が変わることが多いみたいなんです。ということもあって、段々と本来の“運命の眉”に戻っていくんだなぁと思っています。

顔の印象を変えるのは、
メイクアイテムではなく道具!

  • はあちゅう:モノマネメイクのプロのお友達がいるんですけど、彼女が言っていたのが、「メイクアイテムを聞かれることが多いけど、大切なのはアイテムじゃなくブラシ!」だそうです。実はアイテムを変えるだけでは顔の印象は変わらなくて、ブラシや道具の使い方でこそ変化がつくそうなんです。以前、美容感度の高い友人に、誕生日にアイブロウブラシをもらったんですが、パーツ専用のブラシで描くだけで、こんなにも違うんだと感動しました。
    尾花:絶対にそうだと思います。それはメイク全部に言えることで、例えばチークブラシでアイシャドウを塗ろうとしたら大変なことになってしまう。適材適所に使うことで、簡単に美しい仕上がりに導いてくれます。
     
    常にコスメポーチの中に入っている、三種の神器を教えてください。
    尾花:コスメポーチの中身って、おもしろいように皆さん違うんですよね。当然、その方が気にしている部分に関連するものが多くなっている。何かあったときに助けてくれるお直しアイテムたちですね。私は、肌に赤みが出てしまうタイプなのでチークは要らないんです。そうすると眉ものとツールものだけに。
    はあちゅう:私は血色命かも知れないですね。徹夜もしていないのに、顔色が悪いと言われることが多くて。特に口紅を忘れたら、絶対買いたいくらい、必ず持ち歩いていないと不安で落ち着かないですね。

尾花さんの三種の神器。右上から時計まわりに・細かいパーツにもフィットするロージーローザのスポンジ。何においても重宝する綿棒は常に携帯。色がつきすぎず、チップ×リキッドになっているK-パレットのラスティングアイブロウリキッド。肌なじみのいいオリーブカラー&ブラウンで、立体感のある眉になるサティシエのアイブロウパウダーPBR。

はあちゅうさんの三種の神器。右・チーク&フェイスパウダーがセットになったイプサのデザイニングフェイスカラーパレット。中・グアムで購入したサベックスのマンゴー。リップクリームを指で直接塗り込むタイプが好きだそう。左・血色命の彼女には欠かせない、深いボルドーリップはコスメデコルテのものを愛用。これをのせるだけで顔の下半身がキリっとして快活そうな印象に。

恋愛モードのときこそ、
メイクを変えるベストタイミング

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    女性にとってメイクのTPOは大事ですが、お仕事メイクのときに注意すべき点は?
    はあちゅう:会社員を6年経験したんですけど、やはりTPOに合わせたメイクがすごく大事だと思いましたね。メイクが薄すぎても、きちんとしていない印象をクライアントさんに与えてしまいますし、派手すぎてもだらしない印象を与えてしまう。その中間のバランスの良さが必要。女性らしさがありつつ、品の良いメイクが理想的ですね。
    尾花:やはり清潔感と好感度ですね。細かく言えば、働いている環境や職場の雰囲気をしっかり理解したうえで、その日のシチュエーションによって少しずつ変えていく必要がある。自分がその日、どういう人を相手にするのかも考えて、広い視野でメイクの対応ができるといいですよね。
    はあちゅう:会社に理想の先輩がいたら、その人の真似をするのもいいかもしれません。業種によって、その職場に合ったメイクがあると思うので、理想の先輩を職場に見つけるのが、理想のメイクの近道だと思います。
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    逆に、恋愛モードのときにメイクで意識すべきポイントは?
    はあちゅう:恋愛モードのときは、自分を輝かせることに前向きになれることが多いとき。恋愛って自分を変えてくれるタイミングだから、そういう良い気が満ちているときに、自分に合ったメイクも変わる気がします。
    尾花:男性はナチュラルメイクが好きですよね。一言にナチュラルメイクといっても艶っぽさや色や質感など、実は奥が深い。より自分の顔を生かしたナチュラルメイクで勝負するときは、眉と肌を意識するだけで、その人の美しさにおいてポイントが相当高まります。目で見たときの情報と、さらに実際に触れたときに感じることってありますよね。恋愛モードのときは、そこまで考えて楽しみたいですね。
    はあちゅう:そうですね。恋愛モードのときは、女性だけにウケるメイクを見直す時期だなと思います。トレンドのメイクも、女子会を一歩出たら通じない気配があって(笑)。男性でもトレンドに疎い人だったり、職場では受け付けない方も多いので、ときにはそういう空気を読むことも大事。

尾花さんプロデュースのアイブローガイドとテンプレート。洗練されたナチュラルな眉をつくれるツール。それぞれ「だれでも美人眉」「愛され美人眉」「おとな美人眉」の3タイプがある。

メイクは自分を表現する大事なツール

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    いろいろな女性のメイクに触れる機会が多いと思うのですが、お二人が思う大人の“モテ”メイクの極意とは?
    はあちゅう:自分に合っていることです。ときには冒険もするんですけど、基本的に自分に何が似合っているかを分かっている人が、すごくかっこよく見える。トレンドを上手く取り入れつつ、ファッションもメイクも、どこか“自分流”が入っている人に惹かれますね。
    尾花:本当にそう! 自分を分かっていることですね。自分を客観的に見ている人。大人の“モテ”になると、お手入れ感も大事。年齢に下手に抵抗せずに、自分の顔に責任持ってます! というほうが素敵だなって思いますね。
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    最後にスバリ、お二人がメイクをする理由とは?
    尾花:自分に自信を持つため。あとは自分を表現する大事なツールのひとつですね。ひとつのイメージだけにとどまらずに、メイクによっていろいろな自分を作るという作業だと思います。やはり表現して自分を創り上げていくことは楽しいことですよね。
    はあちゅう:そうですね。あと、自分を知るため、という部分もあります。この年になると、自分の生まれ持った悪い部分を見ても仕方ないので、良い部分を生かそう! と美への折り合いがついたんです。メイクする時間はヨガみたいなものかなって。瞑想の時間ですよね。自分との心の会話が生まれて、顔を作っていく。そんな風に思います。
Photo:Umi Fulford/Text:Miyuki Nezasa
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